税金で泣かないために!副業の確定申告で多い失敗例

副業で収入を得ている会社員の方が増える中、確定申告に関する悩みも多く聞かれるようになりました。実は確定申告をしていない人や、間違った方法で申告してしまう人が後を絶ちません。

「20万円以下なら申告不要」の勘違い

副業の確定申告では「20万円以下なら申告不要」というルールをよく耳にしますが、ここには大きな落とし穴があります。

所得税の申告と住民税の申告を混同する失敗

確定申告が不要になるのは所得税だけです。実は副業で1円でも所得があれば、住民税の申告は必要になります。所得税の確定申告をしなかったことで、住民税の申告も不要と思い込んでしまうと、後から自治体から連絡が来る可能性があります。

「収入」と「所得」を取り違える失敗

副業の収入が25万円だったとしても、経費が10万円かかっていれば所得は15万円となり、確定申告は不要です。しかし収入と所得を混同してしまい、経費を差し引く前の金額で判断してしまう人がいます。

副業がアルバイトなどの給与所得の場合は「収入」で判断し、フリーランスなどの雑所得の場合は「所得」で判断するという違いを理解しておきましょう。

無申告がバレないと思い込む失敗

「副業の収入は税務署にバレないだろう」と考えて申告しない人がいますが、これは大変危険です。

取引先の支払調書から発覚する

企業は誰にいくら報酬を支払ったかという支払調書を税務署に提出しています。そのため、あなたが確定申告をしていなくても、税務署はあなたがいくら報酬を得たのか把握できるのです。

住民税の金額から会社にバレる

副業の所得を申告しないでいると、住民税の金額が不自然に少なくなり、本業の会社の経理担当者が気づくことがあります。逆に後から追徴課税されると、住民税が急に増えて会社に連絡がいくケースもあります。

ペナルティの種類 内容
無申告加算税 未払い額の15%程度が上乗せされる
延滞税 申告期限を過ぎた日数に応じて増加
重加算税 悪質な場合は未払い額の40%が課される
刑事罰 最悪の場合、懲役や罰金が科されることも

経費の計上で失敗するケース

確定申告では経費を適切に計上することで節税できますが、ここでも失敗が多発しています。

領収書やレシートを保管していない

税務調査が入った際に必要書類を提示できないと、経費として認められない可能性があります。副業に関する領収書は確定申告の方法によって5年から7年の保存期間が定められていますので、きちんと整理して保管しておきましょう。

副業とプライベートの支出を区別していない

副業に関する部分とそれ以外の部分が混在している支出の場合、按分して計算する必要があります。たとえばスマートフォンを副業でも使っている場合、使用時間に応じて経費として計上できる部分を算出します。すべてを経費にしてしまうと、税務調査で指摘される可能性があります。

住民税の徴収方法を間違える失敗

副業を会社に知られたくない場合、確定申告書の書き方に注意が必要です。

「普通徴収」を選び忘れる

確定申告書の第二表にある「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選ばないと、副業分の住民税も会社の給与から天引きされることになります。

この選択を忘れてしまい、会社に副業がバレてしまうケースがあります。

ただし市区町村によって対応が異なるため、確実に普通徴収にしたい場合は、確定申告後に市区町村の税務課に直接確認することをおすすめします。

申告期限を過ぎてしまう失敗

確定申告の期限は毎年3月15日です。期限を過ぎてしまうと、さまざまなデメリットが生じます。

青色申告特別控除が受けられなくなる

期限内に申告すれば最大65万円の青色申告特別控除が受けられますが、期限後申告になるとこの控除が受けられなくなります。節税のメリットが大きく減ってしまうのです。

無申告加算税が上乗せされる

期限後申告を行うと、本来納めるべき税額に加えて無申告加算税が課されます。税務調査の通知を受けた後に申告すると、さらに税率が高くなってしまいます。できるだけ早く期限後申告を行うことで、ペナルティを軽減できます。

確定申告で失敗しないための対策

副業の確定申告で失敗しないためには、日頃からの準備が大切です。

  • 副業の収入と経費を記録する習慣をつける
  • 領収書やレシートは専用のファイルに保管する
  • 副業用の口座やクレジットカードを分けて管理する
  • 確定申告の期限を意識して早めに準備を始める
  • 不明点は税務署や税理士に相談する

副業の確定申告は慣れれば難しくありませんが、最初は戸惑うことも多いでしょう。今回紹介した失敗例を参考にして、正しい方法で申告を行ってください。適切に申告することで、後から余計な税金を支払うリスクを避けられます。

副業で得た収入を守るためにも、確定申告のルールをしっかり理解しておきましょう。