副業の高額情報商材を買っても儲からない理由

副業で収入を増やしたいと考える方が増える中、インターネット上で販売される高額な情報商材に関するトラブルが後を絶ちません。
消費者庁や国民生活センターには、情報商材を購入したものの広告通りに稼げなかったという相談が数多く寄せられています。
副業情報商材が儲からない根本的な理由
情報商材が多くの購入者に利益をもたらさない背景には、販売手法そのものに問題があります。契約前に中身を確認できない仕組みになっており、購入後に価値のない情報だったと判明するケースが多発しています。
販売者は利益を強調する一方で、具体的な方法論や実現可能性については曖昧なまま契約を迫ります。
購入前に中身を確認できない仕組み
情報商材の最大の問題点は、購入するまで内容が分からない販売形態にあります。
PDFファイルや動画などのデジタルコンテンツとして提供されるため、事前に品質を確認する手段がありません。勧誘段階では収益性ばかりが強調され、具体的な手法の説明がないまま契約させられることがあります。
購入後に開封しても、期待した内容とは大きく異なる情報しか含まれていないケースが一般的です。
広告と実際の内容とのギャップ
広告では「誰でも簡単に稼げる」「1日数分の作業で月収数百万円」といった魅力的な文言が並びます。
しかし実際の内容は、一般的なビジネス知識や既に知られている情報の寄せ集めであることが多いです。中には違法な手法を推奨するものや、実現不可能な方法を記載したものまで存在します。
消費者が期待する「秘密のノウハウ」は、ほとんどの場合提供されません。
| 広告の表現 | 実際の内容 |
|---|---|
| 誰でも簡単に月収100万円 | 基礎的なアフィリエイトの説明のみ |
| 1日5分の作業で不労所得 | 大量の作業と初期投資が必要 |
| 秘密の投資法を伝授 | 一般的な投資情報の羅列 |
| 特別なツールで自動収益 | 機能しないツールや追加費用が必要 |
このような広告と実態の乖離は、消費者を欺く意図的な手法であり、購入者が利益を得られない主要な原因となっています。情報の価値が著しく低いにもかかわらず、高額な対価を要求する点が問題の核心です。
高額サポート契約へ誘導する販売手法

情報商材のビジネスモデルは、初回の低額商材販売で終わりません。購入後に電話やウェブ会議で高額なサポート契約を勧誘され、30万円から200万円規模のコンサルティング契約を迫られるケースが目立っています。
この段階的な販売手法こそが、購入者が儲からない仕組みの中核を成しています。
初回低額商材から高額契約への流れ
典型的な手口は、まず数千円程度の情報商材を販売することから始まります。購入者がその内容を確認すると、「本当に稼ぐにはサポートが必要」として電話連絡を促されます。
その後の電話やウェブ会議では、長時間にわたって高額なプランを勧誘され、断りにくい雰囲気を作り出します。販売者は「今だけの特別価格」「あなただけに提案する」といった言葉で判断を急がせます。
借金を強要する悪質な勧誘
購入者が支払えないと伝えても、借金やクレジット契約を勧められ、断り切れずに契約してしまう事例が多数報告されています。 特に経済的余裕のない若年層がターゲットにされやすく、消費者金融での借入を指示されるケースもあります。
中には遠隔操作アプリを使って、販売者の指示通りに借金の申込手続きをさせられる悪質な事例まで存在します。
- 初回数千円の情報商材購入後、電話で高額サポートを勧誘される
- 支払えないと断っても「利益ですぐ返済できる」と借金を勧められる
- 複数の消費者金融から借入させ、100万円以上の契約を結ばせる
- 勤務先や年収について虚偽の申告をするよう指示される
- 契約後は連絡が取れなくなり、返金に応じない
このような手法で契約した場合、約束された収益は得られず、多額の借金だけが残る結果となります。販売者は収益を保証しながらも、実際には購入者が稼げる仕組みを提供していません。高額な契約金自体が販売者の収益源であり、購入者の成功は想定されていないのです。
被害実態から見る儲からない証拠
公的機関に寄せられる相談データは、情報商材で儲からない実態を如実に示しています。情報商材に関する消費生活相談は若年層で増加傾向にあり、特に20代から24歳の相談件数が突出しています。
これらの相談内容を分析すると、ほとんどが「稼げなかった」「返金されない」というものです。
若年層に集中する相談件数
消費者庁の白書によると、若年層の相談が全体の約半数を占めている状況が続いています。大学生やアルバイト収入しかない若者が、将来の不安や収入増加への期待から情報商材に手を出し、借金を抱える事態に陥っています。
消費者庁の調査では、SNS広告をきっかけとした契約が多く、広告の内容と実態が大きく異なることが指摘されています。
返金困難なトラブルの実情
情報商材のトラブルで特に深刻なのは、解約や返金が極めて困難な点です。事業者は勧誘時の問題点を指摘されても歩み寄らず、あっせんが不調に終わるケースが他の消費者トラブルと比較して目立ちます。
返金を約束しても、実際に支払う前に連絡が取れなくなる事例が恒常的に発生しています。
| トラブルの種類 | 発生頻度 |
|---|---|
| 広告と内容の相違 | 非常に多い |
| 高額契約への誘導 | 多い |
| 解約・返金の拒否 | 多い |
| 事業者と連絡不能 | 頻繁 |
これらのデータが示すのは、情報商材が構造的に購入者を儲けさせない仕組みであるという事実です。もし本当に儲かる方法であれば、これほど多くの相談が寄せられることはありません。
販売者が利益を得る一方で、購入者の大多数は金銭的損失を被っているのが実態です。不審な副業の勧誘を受けた際は、消費者ホットライン188番に相談することをお勧めします。